全地球測位システム(GPS)
1. イントロダクション
2. パイロットはどこだ
3. 正確な時間と場所
4. それは基礎研究から始まった
5. 時間の本質を調べる機器
6. ラビの時計
. 実用的な使い道
8. GPSとその将来像
9. クレジット
時間の本質を調べる機器
 GPSそのものは軍事用機器として誕生したが,GPSを可能にした原子時計は第2次世界大戦前夜の基礎研究に端を発している。原子の基本構造を調べるために開発された高精度技術を,原子時計の作製に利用できると科学者たちが気づいたのだ。だが,彼らがこの時に思い描いていたのは超高精度の航行システムではなく,十分に高精度の時計を作って時間そのものの本質を調べたいという夢だった。特に,重力が時間に及ぼす影響,アインシュタインの重力理論が予言した「重力赤方偏移」という現象だ。

 1920年代後半まで,最も正確な時計は振り子の規則的な振動に頼っていた。その後,水晶振動子の標準振動を利用するさらに正確な時計が取って代わり,狂いは1日に1/1000秒以下になった。だが,アインシュタインの重力理論を検証するには,この程度の精度では不十分だ。アインシュタインによれば,重力場は空間と時間の両方を歪ませる。このため,エベレストの頂上に置かれた時計は海面上に置かれた同じ時計よりも1日に3000万分の1秒進むと予言されていた。これほど高精度の計測をするには,原子自体の極微の振動によって時計を制御するしかなかった。
     
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原文はNASのBeyond Discoveryでご覧になれます。
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