日経サイエンスは米国の科学雑誌「SCIENTIFIC AMERICAN」の日本版です。
HOME
定期購読お申し込み
メールニュース登録
登録内容の変更
よくある質問
ご意見・お問い合わせ
サイトマップ
HOME
>
バックナンバー
>
日経サイエンス 1999年5月号
> フラクタルで株式相場の変動を読む
最新号の紹介
NEWS SCAN
ミニ情報
講演会・研究者募集・研究助成など
新刊ガイド
学ぶ・遊ぶ
科学読み物・ゲーム・パズル
英語で読む日経サイエンス
原文 vs. 翻訳記事
定期購読
バックナンバー
別冊日経サイエンス・本
DVD・CD-ROM
本誌専用バインダー
記事ダウンロード
ご購入のご案内
ショッピングカートを見る
取扱書店一覧
図書目録お申し込み
検索方法はこちら
サイト内検索結果に戻る
フラクタルで株式相場の変動を読む
■B. B. マンデルブロ
昨今の米国金融市場では,今までにないほどめまぐるしく価格が変動している。投資家たちは市場を読む努力を怠っているわけではないが,予想は大きく外れている。1998年の秋などは,フランスの通信機器メーカー,アルカテル社の株が1日に40%も下落し,その後2日間でさらに6%落ちた。しかし4日目には急展開し,10%も値を戻した。
今世紀使われてきたような金融予測モデルでは,このような急激な価格変動は起こらないとしている。現代の金融モデルの基盤には,ポートフォリオと呼ばれる数学理論がある。ポートフォリオは,価格変動によるリスクに対し,利益を最大にするような投資方法を教えるモデルとして普及している。しかし,ポートフォリオ理論では,アルカテル社の株のように,価格が大きく変動する状況を考慮していない。つまり,このようなことは,ごくまれにしか起こらないこととしているのだ。
ポートフォリオ理論に従い,標準偏差の10倍より大きい変動が起こる確率を計算すると,1億分の1のまた1億分の1のそのまた1億分の1くらいの確率になる。しかし,実際には,もっとずっと頻繁にこのような大きな変動が入ってくる。その確率はおおよそ数百分の1くらいであり,毎月のように起こる計算になる。
ポートフォリオ理論を過信しすぎると,投資家に危険が及ぶ可能性は否定できない。しかし,それを超える理論構築をすることは難しい。ポートフォリオ理論の信奉者たちは,理論的な不完全性を認めてはいるものの,計算過程で正規分布以外の仮定を導入するのが困難であることを理由に,手をこまぬいている。
しかし,長い間,私(マンデルブロ)が培ってきた研究成果は,これら従来の考え方とは大きく異なり,全く革新的な見識を提案するものである。価格変動の揺らぎは,私が導入したフラクタル図形を作るモデルによって説明される。フラクタルという概念を用いれば価格変動を確実に予測できるというわけではない。しかし,これらの概念を導入することによって,市場のリスクをより正確に反映させた変動を作ることができる。今日のヘッジファンドなどのように,リスクの大きい金融商品を運用する場合,フラクタルのような概念を導入したリスク評価が不可欠となるだろう。・・・・・・
著者 <Benoit B. Mandelbrot>
科学と芸術にまたがるさまざまな分野に業績を残している。1987年より,米国エール大学数理科学科教授。1958年より1993年までIBMフェロー(物理学)としてニューヨーク郊外のワトソン研究所に勤務。米国芸術科学アカデミー会員,ノルウェー科学アカデミー外国人会員。物理学への寄与に対して,ウォルシュ賞,バーナードメダル,フランクリンメダル,シュタインメッツ受賞,科学と芸術への寄与に関して,ハーベイ賞,フンボルト賞,本田賞などを受賞している。
【目次へ】
会社案内
|
「日経サイエンス」はこんな雑誌
|
個人情報の取り扱いについて
|
Copyright 2005 NIKKEI SCIENCE Inc., all rights reserved